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うさぎ島がいま危ない

スコットランド北西岸から約40キロに位置するカンナ島(Canna)には、約1万6000羽ものうさぎさんがいるのをご存知でしょうか。

カンナ島は、南北7km、東西1.5kmの小さな島ですが、大きさは大久野島(周囲4.3km)の約4倍であるのに対して、うさぎさんの出現率は約8倍になります。

うさぎさんの植民地であると言っても過言ではありません。

人間はわずか12人しかおらず(1k㎡当たりの人口密度は1人)、年に2回だけ定期的に本土からの警察官が巡回するだけといった、のどかな島です。

もっとも、携帯電話こそ圏外ですが、電話回線もつながっており、意外なことにブロードバンド回線もつながっています。

さて、そんな自然と科学技術が融合した島ですが、今うさぎさんの身に危険が迫っています。

なんと、あろうことかカンナ島にいるうさぎさんを処理するという方針が、スコットランド・ナショナルトラスト(National Trust for Scotland)によって発表されました(2013年10月21日発表)。

理由は、うさぎさんの巣穴によって土壌の構造が弱まり地滑りが起こったからで、どうやらうさぎさんが穴をホリホリしすぎたことが原因のようです。

地滑りによって島で唯一の道路が数日間通行不能になったそうですが、わずか12人が数日の間不便を強いられたにすぎないのに対して、1万6000羽ものうさぎさんの命を危険にさらすというのは、全くバランスが取れていません。

もちろん、地滑りだけではなく、オーストラリアやニュージーランドと同じような問題も抱えているのだとは思いますが、カンナ島に置かれた状況はオーストラリアやニュージーランドのそれとは全く異なります。

人口わずか12人という点は明らかにバランスを失しています。

カンナ島は、もともとジョン・ローネ・キャンベル(John Lorne Campbell)という学者が所有していた島であり、1981年にスコットランド・ナショナルトラストに贈与して、現在はスコットランド・ナショナルトラストが所有者になっています。

スコットランド・ナショナルトラストと言えば、あのピーターラビットの作者ポターが自身が所有する土地を信託したナショナルトラスト(National Trust)の関連団体です。

スコットランド・ナショナルトラストは、自然景観や文化財・歴史的建築物の保護を目的として1931年に設立された自然保護団体であり、その理念はナショナルトラストと同じです。

そのスコットランド・ナショナルトラストが、うさぎさんの処理の必要性を訴えているのですから、矛盾を感じざるを得ません。

現在12人しかカンナ島には住んでいませんが、もともとカンナ島の人口は少ないです(1881年に57人、1961年に24人、2013年に12人という具合に推移しています)。

また、住んでいる人も必ずしも昔から島に住んでいた人ばかりではなく、公募によってドイツ、スウェーデン、インド、ドバイなど国外から移住してくる家族が多いです。

移住してくる家族は、家付き土地を最長20年の期間で賃借する形を採らなければならないので、長くて20年しか島には滞在できませんし、それよりも前に自ら島を出て行く人もいます。

このように、人の入れ替わりのあるカンナ島において、より住人と呼ぶにふさわしいうさぎさんを追い出そうというのは一体どういうつもりなのでしょうか。

現時点ではあくまでも方針を打ち上げたにとどまり、具体的な計画は発表されていませんが、今後も動向を注視する必要があります。

うさぎさんの安全を祈りつつ、もう少し調べてみたいと思います。

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